左目負傷

試合中に自分の目が選手の肩と激突した。痛みを我慢出来ずすぐにピッチから出て、コンタクトレンズは割れてないな、とか、打撲痛いな、とか思ってまぶたの汗を拭ったらうっすら赤く染まっていた。どうやらまぶたの下を切ったらしい。周囲の仰天する顔の意味が、トイレの鏡で自分を見てようやく理解した。目の下から血はにじむわ、目の周りは打撲で青いわ、とにかくひどい顔だった。

 

今年は本当についてない。せっかく足の怪我が治りかけたのに、今度は目だ。

 

眼科で早速診てもらったら、案の定「あー、結構ひどい打撲ですねー」ということで、運転してきてないですよね、と確認されたら有無をいわさずあやしい目薬を点眼された。これが噂の瞳孔を開かせて目の奥を診るとかいうやつだろうか。前に目を打ったときもやるか聞かれて、そのときは時間がかかるし面倒なので断ったけど、今回のこの形相じゃやっておいた方がいいに違いない。

 

瞳孔が開くまで20分ほど待つ間、全世界の不幸がこの目に集中している気分で、点眼液を拭うためのガーゼを握りしめてうつむいていた。大した怪我ではないのに、片目を失ったような気持ちで、もう片方の目だけじゃ歩くのもしんどいとか、笑うためにテレビ見るのも苦痛とか、メール読むのも疲れるとか、ブログも書けないんじゃないかとか、そんなことばかり考えていた。怪我はネガティブな感情を増幅させ、ポジティブな感情を減衰させる。よりによって院内のBGMが悲壮感漂うクラシックで、尚更気持ちが沈んだ。かといって愉快ツーカイお気楽ポップがかかっていても、それはそれで苛立たしいのだけれど。

 

20分後、「ぼんやりしてきましたか?」と聞かれたが、そもそも目が悪いのでいつも視界はぼんやりしているし、今は打撲で目が腫れてて重いので、正直よくわからなかった。とにかく、瞳孔が開いたところに眩しい光を当てられ、「はい眩しいけど頑張ってー」と眼科医に鼓舞されながら、診察が終わった。目の方は特に異常なく、打撲による内出血と擦り傷による出血だけで済んだ。

 

今後のケアとして、目を冷やすべきか温めるべきかは諸説あるらしく、眼科医とともに「結局のところ、自然体が一番かな」というゆるい結論に落ち着いた。

 

こんなんじゃ明日から仕事やる気になれない。いやこんなんじゃなくても日曜の明日へ対するやる気は同じくらい低いのだろうけど。