好きな整形外科の話

土日に腰痛が進行し過ぎて、寝ても立っても座ってもいられなくなってしまったので、さすがに危機を感じて近所の整形外科に行った。

 

この整形外科はいつ行っても雰囲気がいい。まず診察券がない。とりあえず行ったら受付に声をかけて順番表に記入する。常連になると顔パスになる。平日の午前は顔パスの熟年層ばかりなので、みんな勝手に入ってきて好きな席に座ってわいわい話している。整形外科なので割とライトな症状の人が多く、健康ランド的雰囲気だ。

 

そして看護師さんの声掛けが徹底している。なかでも、ベテラン看護師は廊下を通って患者とすれ違うたびに、「大丈夫?」、「具合平気?」、「調子どう?」と声をかけてくれる。ただでさえ不安な病院の待ち時間にこれはありがたい。これがまたいい雰囲気を作り出している。

 

さらに、いい意味で掃除が行き届いていない。古い病院なので、年代物の機材が雑多に置いてあるし、差し支えない範囲でホコリがかぶっているところもある。歴代のものがどんどんたまっていって、掃除もあんまりやる気ない感じが、親戚の家に来たみたいな雰囲気で、逆に温かみを感じる。もちろん、必要なところは掃除されているので不潔な感じはしない。完璧を求めないゆるい雰囲気が、緊張している患者の気持ちをほぐしてくれる。ホコリ、まさかのグッジョブ。

 

腰が痛くて何にも出来なくて絶望目前だったけど、この病院のおかげで穏やかな気持ちを取り戻した。処方箋には見えない字で「活力」って書いてくれる病院、それがうちの近所の整形外科。