なんてことのない客先訪問の話

お客さんのところに訪問した。

 

ここ半年くらい受付にいた綺麗なお姉さんは、最近見かけなくなった。「御用のある方は内線におかけ下さい」と無愛想に書かれた札と電話を見ながら、不景気に思いを巡らす。

 

お客さんとは、先日辞めてしまった客先の部長の話になって、「あの人、我は強いけど、いい人だったんですよね」とか、「いなくなると、寂しいですね」とか、お互い葬式みたいにしんみりしてしまった。

 

もう何年も通っているところなので、守衛さんは自分のことを覚えてくれた。でも「横浜から来てるの?」といつも聞かれる。「そうなんです、結構遠いですよ。」といつも答える。こうして会社の平和は守られているらしい。